2018年9月取材

来年で結成35周年を迎える、世界的人気を誇るサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」。そのヴォーカルで世界のサルサディーヴァとして活躍中のNORAさんにサルサ音楽を中心にお話をお聞きしました。 

Interview by SALSA HOTLINE JAPAN

 

 

音楽に合わせて踊ることが本当に楽しい それを求めて海外へ目が向いていた

 

――NORAさん、初の著書『人生、60歳まではリハーサル』(主婦の友社)の発売おめでとうございます。7月の発売日に購入してすぐに読ませていただきました。NORAさんがNYや中南米の本場のサルサの世界に飛び込んで様々なことを乗り越えながら世界的に認められていく過程を深く知ることができました。勇気づけられましたしヒントをたくさんいただきました。皆さんもぜひ本を読んでみてください。

 

これまでの人生を振り返って本にしたいと以前から思っていました。初めての執筆作業で2年以上かかってしまって。デモテープを持ってNYに行ったのは26 歳のときでした。勢いがあってハングリー精神もありましたね。あまり深く考えずにね。音楽に合わせて踊ることが本当に楽しくて。それを求めて海外へ目が向いていたのだと思います。

 

――ヴォーカル、サルサに目覚めたきっかけを教えてください。

 

歌って踊ることは小さい頃から好きでした。3歳からバレエと日本舞踊を習っていて、母が宝塚歌劇団を好きだった影響で中学から宝塚に行きたかったのですが、東京じゃないことを知って断念しました(笑)。宝塚ファンでしたし、ダンサーになってミュージカルに出てみたいと思う一方で、中学高校はずっとバレーボール部。サインはVの世界でした(笑)。高校の文化祭で出るバンドのヴォーカルに誘われて初めて人前で歌ったのがとても気持ちよくて、「これだ!」と思いましたね。

大学時代に後にデラルスのメンバーになる大儀見元と江川ゲンタがいるバンド「ATOM」に誘われてバンド活動でヴォーカルを本格的に始めました。元ちゃんがサルサにハマっていて、半ば強制的に聞き始めたのがサルサとの出会いでカルチャーショックを受けました。

 

――それが「デモテープをもってNY」につながって世界へと出て行かれるわけですね。デビューアルバムもセルヒオ・ジョージ(※)によるプロデュースでしたよね。

 

そうです。セルヒオにプロデュースしてもらえたのは本当に幸運でした。初めてのスペイン語での録音で、何度やっても発音をダメだしされて徹底的に直されました。辛いレコ―ディングでしたが、そのおかげで私が歌う歌詞がラティーノに伝わりました。

セルヒオは天才ですよ。降ってくるタイプでアレンジが10分でできちゃう。書く時間だけなんてそんな人はなかなかいないですよ。

 

――演奏の味付けがいいですよね。僕もすごく好きで、D.L.G.とかマーク・アンソニーとか全部彼がプロデュースしていますよね。

 

セルヒオはベースがジェームス・ブラウン。彼の影響を受けていてファンキー。セルヒオが作るのはすべてがファンキーですね。いい曲を選ぶ才能がすごいです。なにを人が好きになるかがわかる人ですね。

 

踊りながら歌ってもらえるようなサルサのスタンダードアルバムを作りたい

 

――NORAさんのソロでもデラルスでも日本語の曲が増えてきましたね。

 

カバーが増えました。以前は「私はピアノ」しかなかったのですが、スペイン語で歌うとノリがいいのですが、日本の曲をしっかりサルサのアレンジをすると踊りやすいし歌ってもらえますね。

 

――日本語だと親近感が増すというか。僕は月1で同世代の方々にサルサを教えているのですが、先日NORAさんの「私はピアノ」をかけたらテンポもちょうどよくて皆さん歌いながら踊っていました。初心者の方にいいなと思いましたね。サルサで日本人にとってのティピカルな曲がないじゃないですか。サルサを説明するときにこれぞサルサという曲があればいいなと思っています。

 

「キンバラ」やデラルスで言えば「カリエンテ」でしょうかね。メジャーなサルサのスタンダードばかりを集めたアルバムを出したいと思っていましたが、今はCDが売れない時代なのでそういう企画ものを出すことがなかなか難しくなってきました。踊りやすく歌いやすい曲を集めてリリースしたいですね。サルサレッスンの場でもどんどん使っていただけるような。ルイス・エンリケの「Yo No Se Mañana(ヨ ノ セ マニャーナ」がヒットしたときは、日本のサルサパーティーに行くと若い女の子たちが踊りながらスペイン語で歌っていて感動しました。

 

――2年前にブルーノート東京で、デラルスが小中高生を対象に子供にも馴染みのある曲をサルサのリズムで演奏されて、パーカッションを体験できるイベントがありましたよね。サルサ&ラテンに触れていただくアプローチとしてとても勉強になりました。

 

夏休みの公演ですね。子供はミュージックチャージを半額にして。サルサダンスのレッスンもやりましたね。

子供たちがラテンの打楽器に触れる機会はなかなかないじゃないですか。それと同じ趣旨でデラルスは高校生を対象に「学校公演」という活動もやっています。「島唄」、「風になりたい」など聴いたことがあるような曲を織り交ぜて演奏したり、ラテンの楽器を説明したり、希望者にコンガやボンゴをステージに上がって叩いてもらったり。

 

――ステージに上がって実際にパーカッション体験ができるのは楽しいですね。NORAさんはお忙しい日々を過ごされていらっしゃいますが、ふだんはどのようにお過ごしですか?

 

普通に家事はしていますね。息子が高校生ですし。曲作りもしていますね。今ハマっているのはジャズサイズで週に2回から4回通っています。アメリカのヒット曲に合わせて40分ほど踊っています。最初のストレッチと最後の筋トレ・ストレッチを入れると1時間ぐらい。ズンバやマンボステップなどいろいろと取り入れてけっこうハードですが、やせるし締まるし体力がつきました。70代の方もいらっしゃいますよ。

サルサのディーバ、NORAさん

 

JAPAN SALSA CONGRESSはバースデーライブ。皆さんと一緒にノリノリで踊りましょう

 

――ジャズサイズ! まずは無料体験で行ってみたいです(笑)。サルサ協会でも高齢者向けのエクササイズを形にしてプログラムを作りたいと話をしているところです。最後にJAPAN SALSA CONGRESSのライブと今後の抱負をお願いします。JSCライブ当日はNORAさんのお誕生日ですので会場にいる全員でお祝いできることがとても楽しみです。

 

バースデーライブになりますね(笑)。メンバーはデラルスを中心にいつもソロでやっているメンバーです。ルイス・パジェ(tp.)も参加してくれるのでよりラテン度が増しますよ。「私はピアノ」や「シエロ」、その他踊れる曲をたくさん入れて皆さんと一緒にノリノリで踊りたいです。

今後の予定としては、12月20日にデラルスで渋谷ライブをやります。そして来年はデラルス35周年を迎えますので、春にフルアルバムを出してツアーをやりたいと思っています。あとみんなでキューバかメキシコに行きたいねと話しているところです。

 

先日、東京ジャズでオマーラ・ポルトゥオンドさんと共演しました。彼女は87歳。まだまだ声量が充分で。私もライブは続けていきたいですね。90歳までは現役で歌頑張りたいものですね(笑)。

 

――NORAさんなら90歳までヴォーカルでいけますね(笑)。これからもご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました。ライブ当日、どうぞよろしくお願いします。

 

(※)セルヒオ・ジョージ

ニューヨリカンならではのストリート感覚をサルサに取り入れたサルサ界の敏腕プロデューサー。ルイス・エンリケでグラミーを受賞。プリンス・ロイス、レスリー・グレイス、マーク・アンソニーなどサルサ界のスターを数多くプロデュース。

 

■□■

Profile|NORA (Orquesta de la Luz)

NORAさん

 

世界的な人気を誇るサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」のメインヴォーカル&作詞作曲家。1990年デビューアルバムが全米ラテンチャートで11週連続1位を記録するなどその活動は世界に認められ、国連平和賞、米国グラミー賞ノミネート、日本レコード大賞特別賞、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、他数々の賞を受賞。’ 93年紅白歌合戦出場。’ 96年ソロ活動スタート。2012年、ソロシンガーとしてサルサ界のオールスターバンド「SALSA GIANTS」に参加。ワールドツアーを行い、’ 13年ラテングラミー「Best Salsa Album」を受賞。’ 16年、コロンビアのバランキージャにて、「PREMIOS LUNA」を受賞。現在デラルスとソロ活動を精力的に行っている。

Official website of NORA www.nora-net.com/

 

NORA & Orquesta de la Luz Information

新曲「La Cosa Buena」配信中!

デラルスの9年ぶりの新曲「ラ・コサ・ブエナ」日本語・スペイン語バージョンを配信中! La Cosa Buenaの和訳は「いいこと」。キューバの香りがプンプンする曲。

Apple Music Amazon Music

NORA著『人生、60歳まではリハーサル』 好評発売中!

定価:1,380円+税 出版社:主婦の友社  ISBN : 978-4-07-433176-5